スタートアップのバリュエーションの変遷とIPO市場の変化~日米VC比較、CVC編~

2019/07/23

2018 年の資金調達額は 3,800 億円を突破し、5 年連続最高額を更新。

スタートアップの大型資金調達が増えている中、バリュエーションの過熱は本当に起こっている? IPO 市場の変化と今後の見通しは?

2019 年 4 月19 日に行われたイベント「バリュエーショントレンドと CVC のリアル」では、シニフィアン共同代表の朝倉氏と『Japan Startup Finance 2018』執筆者の森敦子が、スタートアップのバリュエーションの変遷と IPO 市場の変化についてトークセッションを実施しました。

登場する人

朝倉祐介/ シニフィアン株式会社 共同代表

資金調達額は過去10年において最高額を記録 事業法人からの直接投資も増加

森敦子(以下、森) 最初に先日公表しました、”Japan Startup Finance 2018”レポート(注1)の概要を簡単にご説明します。

注記1:entrepedia "Japan Startup Finance 2018"レポートダウンロードはこちら

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森敦子|株式会社ジャパンベンチャーリサーチ執行役員 シニアアナリスト 青山学院大学出身。メガバンクで法人RM を経験後、青山ビジネススクールにてMBAを取得。2016 年にユーザベースへ参画。SPEEDA コンサルティングサービス、アナリストチームを経て、2018 年1 月にジャパンベンチャーリサーチへ。主に情報発信を担い、2018 年7 月に執行役員に就任。

2018年は3,880億円と過去10年において最高の資金調達額を記録しています。対して調達社数は減っていることが大きな特徴です。

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資金調達額の中央値と平均値を見ると、平均値3億円、中央値1億円といった規模感です。

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さらにそれを設立年経過年数で分解すると、2018年は設立経過後年数が10年以降の数字が伸びています。Sansanさん、JapanTaxiさんなどが大型調達したことが影響していますね。

あとは1年未満がしばらく横ばいだったものが、少しはねています。 ミラティブさんをはじめとして、設立から1年未満で10億円以上調達した企業が、2017年は2社に対し、2018年は10社ありました。

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資金調達ランキングの顔ぶれをみますと、JapanTaxiさんがトヨタさんから大きい出資を受けています。

また、今回、調達後評価額ランキングの最新値を改めて算出しました(2019年4月19日時点)。公表済みレポートとは結果が少し変わっています。

レポートリリース時点では、(潜在株含む完全希薄化後ベースで)1,000億円以上の評価額の企業はPreferredNetworksさんとSansanさんの2社だけでしたが、その後、弊社で調査を進め、2019年の直近までを集計した結果、現在は5社となっています(注2)。

注記2:entrepediaの「企業リスト」より最新の評価額情報をご確認いただけます。トライアルはこちらから

サイレントでやられていたと思われるところも入っています。

セクター別に見ると、FinTechとヘルスケアに資金が集まっています。 両セクターは2013年から資金が集まっているセクターです。多くの企業が集まり、切磋琢磨し、レイターステージへ成長する、あるいは大型投資が必要な分野へも広がりをみせ、金額が大きくなっています。 また、人工知能、IoTといったところにも資金が集まっています。

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セクター別に調達額の中央値を見ますと、ちょうどヘルスケアが中央値の1億円です。

ヘルスケアより右側、EdTechやFoodTechは中央値が低く、資金の元手があまり必要ではないため、学生をはじめとする若手起業家が多い印象です。 反対に左側は大型資金が必要なビジネスモデルが多いです。

朝倉祐介氏(以下、朝倉) 左側の会社は明らかにイニシャルコストがかかりそうなスタートアップが多いという印象ですが、ここ数年で何か新しい傾向は出てきているのですか。

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朝倉祐介|シニフィアン株式会社 共同代表 兵庫県西宮市出身。競馬騎手養成学校、競走馬の育成業務を経て東京大学法学部を卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。東京大学在学中に設立したネイキッドテクノロジーに復帰、代表に就任。ミクシィ社への売却に伴い同社に入社後、代表取締役社長兼CEO に就任。業績の回復を機に退任後、スタンフォード大学客員研究員等を経て、政策研究大学院大学客員研究員。ラクスル株式会社社外取締役。株式会社セプテーニ・ホールディングス社外取締役。Tokyo Founders Fund パートナー。

AutomotiveTechというのは、やはりトヨタさんが投資を活発になされた2016年に急に出てきた印象です。それまでは右側(中央値が低い)にいた記憶があります。宇宙などもそうです。

朝倉 最近のスタートアップの傾向を象徴していると感じるのが、経産省が主催しているJ-Startupです。 J-Startupに選出されているようなスタートアップは「えこひいきする企業群」だと世耕大臣がおっしゃっていましたが、見たところ、J-Startupには多額の先行投資を要する「重い会社」が多い。

宇宙やモビリティもそうですし、セキュリティ等々。あとはSaaS。収益化までに時間がかかるヘビーな会社が多いですね。

2010年あたりだとソーシャルゲームの会社や、モバイルアプリの会社など、1億円程度の資金でも十分なプロダクトをつくってしまうことができるスタートアップが多かったと思います。一方、J-Startupに選出されているような領域のスタートアップが増えてきたこともあり、調達規模の巨大化につながっているのかと感じます。

投資側の話をしますと、日本の投資家の様相は、長らく事業法人の直接投資とVCによる投資に大別される構造です。2013 年から投資全体の金額が上がってくるのですが、投資家の属性別構造が少し変化しています。

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投資家タイプ別に投資会社数を見ますと、大きな特徴として直接投資を行う事業法人数が伸びています。

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朝倉 私がスタートアップに携わっていた頃の感覚だと、1億円以上の資金調達はビッグニュースでした。

私もいたネイキッドテクノロジーも2010年に1億円の資金を調達していますが、その規模の調達は今よりは珍しいことだったと思います。

entrepediaでみると、リーマンショック直後の2010年は日本全体で700億円ほどのベンチャー投資額だったので、今のおよそ6分の1程度ということになります。

今振り返ってみると、当時の動きとしてユニークだったのが、INCJ(産業革新機構)です。2009~2013年における日本のベンチャー投資額のうち、実に25%以上をINCJが占めています。4分の1を国のお金がけん引していたというのは、なかなかすごいことだと思います。

2014~2018年にかけてもINCJは継続的にベンチャー投資していますが、この頃になると、ベンチャー投資額全体の母数が大きくなっていったため、INCJが出資している額自体はそれほど変わっていないものの、比率は7%程度まで低下しています。

INCJはスタートアップに対する投資機能と、ジャパンディスプレイ等々含めた業界再編的な機能の2つを持ち合わせていますが、こと前者のスタートアップへの投資に関して言えば、ベンチャー投資が冷え切った期間を支え、スタートアップ全体への投資の呼び水になった面はあると感じます。

中央値を見ると1社だけ頭ひとつ飛び出している感じがあるので、やはりインパクトは今も大きいです。

朝倉 加えて、VCのLP(出資者)としても、10年間で500億円以上出資しています。

投資会社の1社あたりの投資額累計の中央値をみると、2018年はVCが大きかった。 他方、投資先1社あたり投資額中央値をみると、金融機関が大きい。

これは、金融機関の大きい投資がFinTechスタートアップに集まっている構造になっているからだと思います。

つぎに、VC投資を分解してみます。2017年のVC投資の中のCVCの割合は9%です。 対して2018年は13%。全体の金額が上がり、その中に占める割合も高まっています。

2018年に設立された新規のCVCは16社あります。

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日本とアメリカとでの違い 日本のVC業界の課題とは

つづいて、ファンドに出資するLPの話になりますが、日本の2018年に国内で設立されたファンドに対する出資側の属性を見ると、事業法人の資金が多く流れ込んでおり、年金など機関投資家からの資金が2018年時点では少ない。

最近立ち上がったグロービス・キャピタル・パートナーズさんのファンドは、LPが機関投資家中心です。

朝倉 これはすごいこと。アメリカのVCにおけるLPは半数以上が年金基金等々の機関投資家です。

1980年前後にアメリカの法律が変わって、VCを含めたプライベートエクイティにも年金基金の運用資金を投じても良いといったような規制緩和がありました。

シリコンバレーを見ていても、そのあたりからVCの規模が拡大しています。

日本のVC業界にとって、いかにしてそういった年金基金等々を含めた機関投資家の方々の資金を呼び込むかは一大テーマです。

現状、日本のいわゆる独立系VCのLPのほとんどが事業会社です。事業会社の方々がVCにLP出資する主な動機は、純粋な金銭的リターン以外の点にあるケースが多いです。

投資としてのリターンよりも「自社とのシナジーを見込めるスタートアップを見つけてきてほしい」であったり「どんなスタートアップが活動しているのか、内情の数値も含めて情報が欲しい」であったりといった意図を持って投資なさる事業会社が多い。

実際、複数のVCにLP投資なさっている事業会社の投資担当者の方とお話ししていても、「投資先VCのIRR(内部収益率)などは把握もしていない」とお答えになるような状況だったりするわけです。

これ自体は、事業会社の方々の出資の動機としては変な話ではありません。ただ、その結果として何が起こるのか。

下手をすると、日本のVCがマネージメントフィー名目でリサーチフィーを受け取る、リサーチ業者になってしまいかねないということです。投資のリターンで実績をはかられる金融業者じゃなくなってしまうわけです。

LPの方々がVCに対してリサーチ事業者としての機能を期待しているのだとすると、なるべく多くの情報を集めることがLPに対する貢献ということになります。

そうなると、投資規模が大きくて投資対象数が限定的になりがちなレイターステージやミドルステージに投資するのではなく、投資規模が小さく、投資件数を多くこなせるシードステージやアーリーステージに投資を増やした方が良いということになります。

投資件数を増やした方が、多くのスタートアップの情報を持つことができるわけですから、合理的な行動と言えるでしょう。

純粋にリサーチ機関としての役割を果たそうとすると、投資先のスタートアップにシリーズB、シリーズCといった段階で追加投資するよりも、早いタイミングにこだわった方がよいということになる。

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この点、日本になかなかユニコーン企業が生まれない理由の1つとして、VCのLPがどういった意図を持った属性の人たちであるかといった点も関係しているように思います。

また、LPがあまりリターンを重視しないのだとすれば、ファンドのパフォーマンスを上げても必ずしも評価に直結しないということになります。そうなると、ファンドとしてもパフォーマンスを追求するよりも次のファンドの組成を意識して、リサーチ事業者としての機能を果たすインセンティブが働いてしまいます。

VCのパフォーマンスの源泉の一部は、内部で情報を得たうえで、成長予測の精度を高めた状態で追加出資できる点にあります。ところが、今述べたようなインセンティブ構造だと、こうした強みを活かしにくくなる。

以上は極度に単純化した話です。実際にはシードステージから小さく入って、それをどんどん継続投資するといったアプローチをとっているVCの方々もいます。

一方で、LPの性質上、どうしてもそういった投資がしづらいといった構造的な課題を業界全体が抱えているという点は、頭の片隅に置いておいた方がよいと思います。

補足しますと、VCのファンドパフォーマンスは弊社のデータでは観測ができないのですが、他機関のアンケート調査などを見ると、パフォーマンスは元本を割っているところが多い。

朝倉 半分以上は元本割れしている状態のようです。

アセットクラスとしてなかなか確立していません。また全体の規模が小さく、多額の資金を運用するアセットオーナーにとっては、運用資金をさばく場として効率が悪い。そのため、純粋にリターンを求める機関投資家の方々がなかなか入りにくい状況でもあります。

CVC関係者の方々向けのイベントですので、関連してCVCのお話もしましょう。私も以前ミクシィで代表を務めていた2013年にCVCをつくりました。

アイ・マーキュリーキャピタルという名前の子会社です。

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その時の経験を踏まえて感じることですが、CVCというのは目的の設定が難しい。少しだけ資本関係を持って、情報を得たいのか、事業面で連携したいのか、それとも連結化や買収のための布石なのか。位置付けが難しい。

当時のミクシィの場合、外部事業の完全買収、あるいは連結化を目論んでいました。

ただ、何も実績がない状態で買収すると言っても、なかなか信憑性がないこともあり、並行してCVCでのVC投資も行いました。

こうしたマイノリティ投資を続けることで、100%買収や連結化に結びつく投資機会も出てくるだろうと。

皆さんが日々、CVCとして投資活動に取り組まれる中で、活動意義の整理にご苦労なさる面もあるのではないかと思います。

CVCである以上、純投資とは異なるものを求めていらっしゃるケースが多いのでしょう。中には明確に「リターンは求めていません」といったご意見を耳にすることもあります。ただ、これには少々違和感を覚えることもあります。

単なる金銭リターン目的の純投資でないことはよく分かりますが、一方で本当に意味のある会社や事業に投資することができれば、当然リターンは大きくなるはずです。

リターンを追及しないということは、本当に価値のある事業に投資できていないことに対する自己弁護になっている側面もあろうかと思いますし、時として投資先スタートアップの成長に対する足かせやモラルハザードにもなりかねません。

また、CVCの投資熱が今後どう推移するかも注目すべき点です。

ここ3~4年ほど、ベンチャー投資額の増加は事業会社による投資がけん引しています。 急増したこうした投資資金には「熱しやすく、冷めやすい」側面もあるのではないでしょうか。「1~2年するとまた全体のベンチャー投資額が減るのではないか?」と。

現状、事業会社によるスタートアップへの投資額が多くなっている背景には、世界的な金余りだからといった事情が多分に影響を及ぼしていることでしょう。

景気には浮き沈みがありますし、試行錯誤は避けられないと思いますが、大企業とスタートアップの連携が一過性のブームとして終わってしまうのか、それとも文化として根付くかは、今後のスタートアップを取り巻く環境の発展において重要な点だと感じています。

加えて別の論点ですが、よく感じるのは、CVCの方は「ベンチャー投資」と聞くと、どうしてもシードやアーリーステージに目が向かいがちだということです。 一方で、私も以前に零細スタートアップを経営していた身として痛感することですが、初期段階のスタートアップは経営管理機能が非常に弱い。

投資先に対して事業シナジーを求められるCVCや事業会社の方は多いと思いますが、せっかくよいスタートアップに対する投資機会があったとしても、シナジー創出に向けた事業連携の調整などで、社長の時間が取られてしまい、プロダクト開発の進行が遅れてしまうといったことが、ままあります。

逆に大企業の視点から見ると、初期段階のスタートアップはずいぶんといい加減な運営をしていると不安に感じられることも少なくないでしょう。こうした局面におけるコミュニケーションをいかにうまく実現できるかが、CVC成功の勘所ではないでしょうか。

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もしもシード、アーリーステージに投資をなさるのであれば、変に介入しすぎないといった割り切りも必要だと思います。

この点、大企業が連携を目指すのであれば、ミドル、レイターステージのスタートアップの方がより経営管理機能も高まり、プロダクトの確度も高まっているので、もう少しスムーズに事が運ぶはずです。

どうしてもシード、アーリーステージなどR&D(研究開発)に近いところに着目してしまいがちではありますが、すこしステージ感をずらすことにも意味があるのではないでしょうか。

私がスタートアップの方とお話しするときも、初期的な段階で事業会社から直接出資を受けることは必ずしも良いとは限らないと率直にお伝えすることがあります。

先ほど申し上げたコミュニケーションコストという問題に加え、どうしてもその事業会社の色が付くことが多いからですね。

投資先のスタートアップとなるべく深く連携したいと大企業の方が考えること自体は極めて自然な発想だと思います。

ただ度を過ぎると、せっかくよいスタートアップに投資したはずなのに、自分たちの関与によってスタートアップの成長を制限してしまうといった本末転倒な事態を招きかねないといったことは、頭の片隅に置いておいていただければと思います。

CVCを設立するメリットとは

モデレーター 佐久間 衡(以下、佐久間) ここで、会場から関連する質問がたくさん来ているので、いくつかお伺いします。

ミクシィのときにCVCで撒き餌的な投資をしつつも、将来的な100%買収にこだわったのはなぜですか?

朝倉 同じような状況の方もいらっしゃるかもしれませんが、当時の既存事業が完全に成熟化し、衰退局面に入っていたからです。それなのにキャッシュはある。

私が代表に就任した当時のミクシィは時価総額が約180億円、売上が100億円ほどの会社でした。

一方でキャッシュは150億円超あり、それをずっと眠らせたまま、有効活用できていない状況でした。自分たちで有効活用できないのであれば、株主にお戻しするべきだし、事業の成長に投じるのであればメリハリをつけて投資しようといった話をよく社内で私は言っていました。

そこで、当時打ち出したのが、年間50億円の投資です。

売上100億円程度の会社が年間50億円を投資することがどれぐらいのインパクトかはお分かりいただけると思います。それくらいインパクトのあることを内外に発信し、キャッシュを使って、キャッシュフローを買ってくることを掲げました。

具体的に何をやったかと言うと、投資子会社を設立して積極的に外部に投資していく意志を周りに伝える環境をつくりました。

われわれの場合、アイ・マーキュリーキャピタルという子会社を設立しましたが、機能面だけを考えると、わざわざ子会社を設立せずとも、投資事業部でもよかったのです。

ただ、一事業部として取り組むことと、子会社を設立することには決定的に違う点がありました。アナウンス効果ですね。

「投資事業部をつくった」だけであれば、メディアを含めて外部は全く見向きもしてくれませんが、子会社を設立することで本気度が伝わったかと思います。

その結果、投資候補のロングリストを作ることができました。投資や買収は相手がいないと実現できません。結果として、明確な意志を発信することは有効に働きました。

佐久間 ちなみに、私はユーザベースの直接投資も一部担当しています。傘下にベンチャーキャピタル(UB Ventures)を設立していますが、直接投資は目的がシンプルで、事業提携先との関係強化と将来的な100%買収を見越した投資です。

たとえば、事業がうまくいって同じ方向を見れるのであれば将来的に100%われわれのグループで一緒にやろうよ、と最初に言ってマイノリティ投資する例があります。

逆に、UB Venturesは完全フィナンシャルリターン狙いです。そのように、弊社では投資目的を分けています。

つづいての質問に移ります。

ミドル、レイターステージへの事業会社の投資でうまくいった例はありますか?

朝倉 何をもって「うまくいった」と呼ぶかですね。

例えば、レイターステージで総合商社などが出資されるケースがありますが、そうした投資を受けて事業が成長しているスタートアップはあります。

一方で、それによってどういった事業間のシナジーがあったかは、端からは伺い知れないところです。

私が社外取締役を務めているラクスルは昨年上場していますが、上場前のタイミングで、ヤマトホールディングスさんと物流事業での連携を狙った資本業務提携を締結しています。

このケースは純粋なベンチャー投資というよりも、業務面での提携ありきの出資ですが、資本が入ることによって、連携が進みやすくなるというケースは一般にあることでしょう。

メルカリさんは最後のシリーズEの投資で、ヤマトホームコンビニエンスさんが業務提携をしています。

佐久間 弊社ユーザベースがIPO直前のラウンドで多くの金融機関、金融機関系VCさんから出資をいただいたのも、大手顧客との関係強化という狙いもありました。


こちらの記事は、前後編の2回に分けてお届けします。後編では、スタートアップのIPOとM&Aの現状と、「最近スタートアップのバリュエーションが高騰している」という見方について数値面から迫っていきます。

→後編はこちら

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Japan Startup Finance 2018

登場する人

朝倉祐介/ シニフィアン株式会社 共同代表
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